登廊から草餅まで、奈良の「長谷寺」を満喫する

長谷寺は「ならの大仏」や「鹿」で有名な奈良公園から離れた奈良県桜井市にあるお寺。
古くからあつく信仰されてきた長谷寺は、「枕草子」や「源氏物語」など国語の教科書で扱われる古典文学のなかにも登場し、隆盛を極めたあの藤原道長も参詣したことがある場所です。
そんな歴史ある長谷寺の魅力をご紹介します。

登廊はおすすめの写真撮影スポット

長谷寺に到着すると、まず大きな仁王門が見えます。
この門を通った先にある登廊は良い和風な雰囲気が感じられる場所で、人気の写真撮影スポットとなっています。
仁王門の背面側から399段の登り階段が本堂まで続いていますが、段差は低いので、まわりの景色を楽しみながらゆっくり登ることができます。

本堂の大きな観音像も見どころ

登廊を登り切った先にある本堂では、長谷寺の本尊・十一面観音菩薩立像が祀られています。
この観音像は10m18cmもの高さがあり、まずその大きさに驚かされるはずです。
さらに右手に錫杖(しゅくじょう)を持っていることも大きな特徴です。
錫杖は「お地蔵さん」の愛称で親しまれている地蔵菩薩がついて歩く杖で、通常は十一面観音が持つものではありません。
錫杖を持つ十一面観音像は、鎌倉の長谷寺をはじめ、全国に数十の作例が現存しており「長谷寺式十一面観音」と呼ばれています。

本堂には清水寺のような舞台もある

そんな十一面観音が祀られている本堂の前面には、京都の清水の舞台のような切り立った崖の上に築かれた舞台があります。
このような建築は懸造(かけづくり)あるいは舞台造(ぶたいづくり)と呼ばれていて、これも全国のさまざまなお寺で見られるので、急な崖の斜面に立つお堂を見る機会があれば、長谷寺本堂との違いを楽しんでみるのも良いですよ。
行楽シーズン以外の長谷寺は、清水寺のように観光客で混み合っていないので、舞台から見える山々の景色をゆったりと見ることができます。

長谷寺門前の草餅は桜井市の名物のひとつ

奈良県を代表するグルメのひとつに「三輪そうめん」があります。
三輪そうめんは三輪地方が属する桜井市の名物ですが、桜井市では長谷寺門前の草餅もおすすめです。

長谷寺の最寄り駅は近鉄大阪線の長谷寺駅。
長谷寺駅から長谷寺までの道中に、たくさんの土産物屋や飲食店が連なっていて、「総本舗 白酒屋」「総本家 寿屋」「花遊茶屋」など草餅を販売しているお店が複数あります。

お土産を購入するにも適した場所なので、長谷寺に参拝した後に草餅を食べながら一服してみてはいかがでしょうか。